休むことをおそれない

こんにちは、トレーナーの倉持です。

先日、とあるアスリートのトレーナーさんやトレーニング仲間たちと話しをする機会があり、どのように休息をとっているかという話題になりました。どうしても勘違いしやすいのがトレーニングすればするほど体は強くなるだろう、という思い込み。確かにトレーニングをすることで体は強くなるものの、その理由はどちらかというとトレーニング後に栄養と休息をしっかりとって体が回復したから。休息をとると体が弱ってしまうのではないかと思って、休もうとしないアスリートが日本には特に多いと感じます。(アスリートに限らず、日本人はみんなその傾向が強いかもしれません)

実際に、オリンピックのように4年に一度の祭典を目指すアスリートはオリンピックまでの4年間を一つのサイクルと考えて、そのサイクルの中でどのように波を作るかを決めてからトレーニングを行います。例えば、前年にオリンピックに出た選手がそのまま練習に取り組むということはほぼなくて、数ヶ月から1年単位で休む選手も多いです。


精神的にも肉体的にも極限状態まで追い込んだ状態ですから、かなりのストレスを感じています。そのまま次のステージに進めるか。人間はロボットではないのでそんなに簡単に次のステージに進めるわけがありません。


精神面を休めることで、これまでの4年間の振り返りができますし、次へのモチベーションが湧き上がってきます。どれだけトレーニングをしてもモチベーションが上がらない中でのトレーニングは、ほとんど効果が上がってきません。これはどの選手も感じていることではないでしょうか。やはり何かを成し遂げたいというモチベーションは全てのトレーニングの動機となるものです。

一つの目標が達成できた・できないに関わらず、それに向かって全てを捨てて取り組むということはそれだけ精神面をすり減らすので、その回復にはそれなりの時間を要します。その結果、どうしてもモチベーションが上がらないということもあるかもしれません。でも、それはそれとして次の道に進む準備ができたということもできます。


肉体面で考えてみると、一番は関節にかかっているストレスを回復させることにあります。筋肉もそうですが、関節もトレーニングを続けることで徐々にストレスを感じて回復しづらくなってきます。筋肉は血流が豊富なのである程度の時間があれば回復も可能ですが、関節は血流が乏しいので回復するまでにかなりの時間を要します。

学生時代に肘や肩を痛めてスポーツを断念したけど、数年休んだら痛みを感じなくなりまたスポーツができるようになった。という方も多いのではないでしょうか。トップアスリートのストレスはその比ではありませんが、それでもしっかりと長期の休みを取ることで関節や筋肉にかかっているストレスをリフレッシュすることができます。


今回のトレーニング仲間は30代後半(ある競技の世界大会などに出ている選手)で疲労の回復が徐々に遅くなってきており、トレーニングへのモチベーションがなかなか上がらないという悩みを持っていました。

聞くと、やはり休むことで体が衰えるのが怖くて、まとまった休みをとっていなかったようです。今回、一緒に話しをして一旦トップから距離を置いて自分の体のメンテナンスや気持ちの整理に時間をあてて、モチベーションが上がってきたらまた世界を目指そうかなという気持ちに切り替わっていました。

大会はカテゴリーに分かれていて、40歳以上のカテゴリーに参加するのが3年後になるとのこと。そう考えると、半年か1年は高重量を扱わないで、フォームのチェックやメンテナンスに時間をかけるのも悪くはないのかなと思います。それで関節にかかっている負担を減らすことができれば、高重量を扱えるようになりますし、そうなればモチベーションもグンと上がってきますよね。

応援しています!

カテゴリ : training